
品川区、大田区の災害級の豪雨による雨漏り被害の調査や工事について
2025/10/17 08:59
令和7年9月11日、災害級の大雨が首都圏を襲いました。弊社は品川区の立会川駅近くにあるため、ニュースでもたびたび報じられました立会川の氾濫によりマンションの1階が浸水。弊社は4階の為被害は免れましたが、近隣を含め被害は甚大でした。翌日以降、濡れて使い物にならなくなってしまった家財が道路に粗大ごみとして置いてあるお宅があちらこちらにありました。
この大雨の被害で報道では浸水による被害が多くクローズアップされていましたが、同様に雨漏りの被害も品川区、大田区のお客様から弊社の方に何件か連絡がきました。
1.塩ビシート防水屋根の雨漏り事例
以下の写真は調査の際の写真です。

2階建てアパートの雨漏り
屋根上に上がると片流れのシート防水の屋根で、屋根勾配は5分勾配(非常に勾配の緩い屋根)でした。
シート防水の下は鉄板(トタン板)がありその下に野地板(ベニヤ木下地)で構成されていました。割れている箇所が何か所もあり、上記の写真は一番ひどい箇所です。割れている箇所の周りを歩くとシャリシャリと音が鳴ります。これは鉄板の錆による音でシート防水の下はひどい腐食が起きていることがわかります。
随分前から塩ビシートの割れは起きていて、一度コーキングによる補修もしてあります。大雨でなくても雨は侵入していたであろうことがこの割れ方と鉄板のサビ具合でわかると思います。
今回の大雨よりも前に連絡できたのではないかと思いますが、賃貸物件のアパートではたびたびあって、借りている方からの報告がない限り雨漏りしているかどうかはわからないのが現実で、今回はひどい雨漏りが起きて連絡を頂けたため現地調査をすることができました。
調査後、応急処置のパターンと、既存の状態の上に勾配調整をしたのち木下地を新たに作り金属の縦長の屋根(立平葺き)で施工するパターンの2種類をご提案させていただきました。
2.セメント瓦屋根の雨漏り事例
次のケースは1階下屋根からの雨漏りです。

写真手前のセメント瓦の屋根で、屋根上には2階の後付のベランダがあります。ベランダ上は荷重がかかるため、セメント瓦が割れやすく、現に荷重の掛かる部分は割れており遮音シートで補修されていました。
居住者様が雨漏りをわかったのは、電気器具からぽたぽたと雨水が落ちてきて雨漏りに気づいたそうです。こちらの屋根も先程と同様、今回の豪雨ではない時も雨は瓦の下にまわって建物内に漏っていたと思います。しかし、雨漏りに気づいたのは目に見えて気づけたのであって、場合によっては建物内に雨漏りはしていても気づかないケースはたくさんあります。
工事のご提案は、予算的なことと現状のセメント瓦が全体的にもろく割れやすい状況を踏まえて、スレート屋根の上に直接ガルバリウム鋼板の平板を全体に被すご提案をさせていただきました。
基本的に瓦の上にガルバリウム鋼板の横葺き屋根材や立平葺き屋根材を全体に被せることはやりません。
瓦の上にガルバリウム鋼板を被せる(カバー工法)やり方は、不陸が大きすぎて人が乗ると鋼板がボコボコになってしまう点や、ビス等が効かないので固定ができない点、下葺を敷いても不陸が大きすぎて瓦の角で切れてしまうなどが挙げられます。
このような屋根の状態のリフォームの場合、瓦を撤去→木下地の補修、補強→新規木下地→下葺→新規屋根が一般的な施工方法です。
今回は、お客様に説明して合意のもと本来やらない施工方法で工事を行い、金額面を抑えさせていただきました。
防水性に関しては、ガルバリウム鋼板の平葺きを自社で加工し、板巾で加工することにやって板同士の継ぎ目の数を少なくし、継ぎ目箇所には先に捨て板を仕込みました。
平葺きの固定に関しては、コーキングを鋼板と瓦の接地面にかまして密着させたのとベランダの荷重があるので飛散することはないと判断しました。
どうしても平葺き施工後屋根上に上がり、役物の取り付けやコーキング処理をしなければいけないため瓦の角の跡がでてきてしまい少し見た目は悪くなってしまいましたがお客様には雨漏りの心配が減ったことで満足していただけました。



3.災害級の豪雨を経験し思うこと
今後、災害級の豪雨は年々増えていくかと思います。
今までの大雨では雨漏りしなかった屋根でも、一昔前の常識では通用しないような近年の大雨だと雨漏りしてしまう屋根がかなりの数あります。
施工側もこのことを念頭に置いて、念入りな防水処置を施して施工するよう心がけ、安心して暮らせる屋根をつくっていかなければと思います。
雨漏りが目に見えて起きているころには、木下地や屋根などが気づかなかっただけでかなり腐蝕されている可能性もあります。
そうなってしまうと、腐食してしまった屋根下地の補修や室内側の壁紙や石こうボードなどの取り換えなどの工事費がかかってきてしまいます。
定期的な点検、外壁や屋根の塗装工事のタイミングなどで専門的な知識のある人に見てもらうこと、築15年から20年程で屋根の改修工事を検討するなどが屋根の雨漏りから大切な建物を守ることにつながります。
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