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屋根塗装後に起きた雨漏りは最悪でした

2025/10/22 07:38

1.調査依頼

「雨漏りがするから見てほしい。」

調査依頼のご連絡をいただき、現地調査に向かいました。

建物は2階建ての寄棟屋根で玄関上に下屋根があるお家です。

ご挨拶を済ませお客さんにはいくつかの質問に答えていただきました。

・どこから雨漏りしているか

・いつから雨漏りしているか

・どのような雨の日に雨漏りするか

普段このような情報を聞き調査を始めます。

雨漏り箇所は2階のトイレ周りで、雨漏りが始まったのは、半年前に屋根を塗装した後で長雨の時に雨漏りするとのこと。

このヒアリングの回答で大切なのは、雨漏りが塗装後から始まり長雨のときに雨漏りが室内に発生することです。

2.室内調査

まず室内の雨漏りがしているところを確認させていただきました。

天井のクロスに亀裂が入っていて際の方はめくれ始めていました。

別の部屋から屋根裏の中に入れる場所があったので、入らせていただきました。

屋根裏の中から雨漏り箇所を見ると、一目瞭然で雨漏りの形跡がありました。

屋根の下地となる野地板(ベニヤ木下地)が腐食している部分があり、雨染みが広範囲にあるのがわかります。

雨漏り箇所以外の場所にも野地板に雨染みがいくつか見受けられ、室内までは出てこないが雨漏りが全体でしていることが確認できました。

3.外部調査

次に屋根に登り調査します。

屋根材はアーバニーという平型スレート屋根に塗装がしており、塗装は屋根材と屋根材がくっつかないように縁切りをせずにそのまま塗料が塗りたくられていました。一部箇所をスクレーパーを使い塗膜を切って隙間を作りましたが、塗膜が硬く隙間を作るのには大変力のいる作業でした。

本来コロニアルなどの平型スレートと呼ばれる屋根材を塗装する際は、スペーサーを使用したり塗り方を工夫して縁切りをする必要があります。平型スレートの屋根は、材料を重ねていって屋根ができています。塗装をした際に重なっているところが塗膜で塞がってしまうと、どこからか屋根材の隙間に入ってしまった雨が下から抜けずに溜まっていき、釘などのピンホールから雨水が内部へと侵入してきてしまいます。この現象が起こりやすいのが長雨の時で雨が降り続けるほど雨漏りのリスクは高まります。

下記の写真に雨の跡が見えるかと思います。本来このような雨跡の線は出ないのですが、塗膜で塞がってしまったため雨が中で溜まってしまいゆっくりと一定のところから溜まった雨が雨がやんでも出てくるのでこのような跡が残ります。

屋根を施工する業者は「防水」という感覚とは別で「雨仕舞」という感覚を持っています。雨仕舞とは、雨水が建物の内部に入ってこないように水がうまく抜けるように施工することです。

屋根材は雨の吹き込みや吸いあがりがどうしても発生してしまいます。

全体を塗装して継ぎ目箇所も全部塞いで雨が入ってこないと思っても、地震などの揺れや経年劣化で塗膜が切れ雨はいずれ侵入してきます。

このような雨漏りが起きないように塗膜を縁切りし雨が抜けるようにしてあげることが非常に大切です。

4.アーバニーという屋根材

前項で縁切りをして適切に塗装をすることが大切だとご説明しましたが、

アーバニーに関しては塗装はしない方が賢明だと個人的には思います。

アーバニーという商品は、クボタ(現 ケイミュー株式会社)が販売していた化粧スレートの屋根材です。

特徴は、同じ材質のコロニアルなどに比べゴツゴツした形状で、ランダムに細かく厚みがあり高級感のある材料で販売当時はハイグレードな屋根材の一つでした。S57年~H6年までアスベスト含有のアーバニーが製造されており、H13年~H17年まではアーバニーグラッサという名称でアスベストを含有しないものが製造されていました。現在は生産終了している屋根材となります。                     https://www.kmew.co.jp/kenkai/参照

アーバニーの塗装の際のリスクとして、コロニアルなどに比べ形状が細かすぎるため横方向の重なり部分から雨が入る可能性が高いのと、スペーサーを使用すると踏んだ際に割れる可能性が極めて高いです。特にアスベストの含有されていないアーバニーグラッサは強度がアーバニーより落ちるので要注意です。

そのため、メンテナンスをする際は葺き替えかカバー工法で屋根を新しくした方が間違いない選択だと思います。

5.調査後

屋根上の状況と全体的に雨漏りしていることをご説明し、今回はカバー工法で新しく屋根を施工した方がいい旨をお伝えしました。

木下地が雨漏りで痛んでいるので本来でしたら既存の屋根を剥がして下地を補修するか作り直すかした方がいいとは思いますが、登った際に雨漏り箇所を踏んだ感覚がしっかりしていたことと、屋根垂木に固定すれば強度はあることをお伝えしました。

お客さんは塗装で屋根をきれいにして安心して生活できると思った矢先に、雨漏りという最悪の結果が起こりました。塗装業者の知識不足とやっつけ仕事の結果引き起こした事例だと思っています。

その後ご連絡をいただき、スーパーガルテクトを使用しカバー工法で屋根を施工させていただきました。

施工後、雨ふりの際は様子を見ていただき雨漏りが止まったとのご連絡も頂きました。

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